研究活動 ―奨励研究員の募集

(公財)古代学協会 奨励研究員公募要領



◇ 現在募集はしておりません。

【趣 旨】
外部研究者との連携による古代学研究推進のために、若手古代史研究者への支援の意味を込めて研究員を公募する。

【研究テーマ】
・(公財)古代学協会が年度ごとに掲げる共同研究
・募集人数 若干名
【応募資格】
・(公財)古代学協会が掲げる研究テーマを推進するのにふさわしい学力と実績を有する若手研究者(博士課程在籍大学院生を含む)で、原則として研究機関の専従者でない者。ただし、短期の任期付研究員はこの限りでない。
・共同研究(年数回程度の会合)に参加し、連絡調整役となるとともに、研究の一部分を担えること。
【身分】
・奨励研究員、無給、研究費支給(年間30万円)
・科研費応募資格の付与(大学院生を除く)
・任用期間:最大所属する共同研究の終了年まで。ただし、共同研究の内容に添ったテーマで研究代表者として科研費の配分を受けた場合は、別途配慮する。
【応募期間】           
・必要に応じて公表する。 
【その他の条件】
・近畿圏在住者
【応募書類】
・履歴書、業績目録、研究略歴、これまでの研究テーマ(A4判、1ページ以内)、今後の研究計画・抱負(A4判、1ページ以内)、主要論文の別刷り(または著書)を各1部
・メールアドレスなど連絡先
【書類送付先】
・604-8131京都市中京区三条高倉 (公財)古代学協会 理事長大坪孝雄宛 封筒に「応募書類在中」と朱書してください。
【問合せ先】
・当協会・(公財)古代学協会研究部長(TEL: 075-252-3000, E-mail: paleo(a)kodaigaku.org ※ (a)を@に置き換える)。
【選 考】
・書類選考をへて面接

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【2013年度 奨励研究員の紹介】

◇ 竹内 亮

昭和48年生 兵庫県出身
立命館大学・関西大学非常勤講師

このたび奨励研究員として、古代学協会が進める東大寺領越前国足羽郡糞置庄の調査研究に参加することになりました竹内亮です。
これまで、古代(飛鳥〜奈良時代)の木簡や文字瓦といった出土文字資料を主な素材として、古代の官大寺や地方寺院、官営工房などの実態について研究してきました。東大寺領糞置庄は、天平21年(749)に寺院の墾田所有が認められたことを契機として北陸地方各地に設置された東大寺開田地の一つで、天平宝字3年(759)と天平神護2年(766)に作成された二枚の地図が現在まで残っていることで世に知られています。庄域は現在の福井市南部、二上町・帆谷町一帯に比定されており、小規模な庄園ではありますが、奈良時代の地図に描かれた山や谷の形状が現代の現地景観と一致すること、近年まで周辺の条里制地割がよく残っていたことなどから、古代庄園研究史上において重要な地位にあります。昭和27年(1952)、この糞置庄の遺構を探求するため、当時大阪市立大学におられた故角田文衛先生や御同僚であられた直木孝次郎先生を中心として発掘調査団が組織され、想定庄域内の数ヶ所において試掘調査が行われました。調査の結果、残念ながら奈良時代の庄園に直接関係する成果は得られませんでしたが、多くの考古遺物が出土しました。
現在、古代学協会では角田先生が関わられたこの発掘調査に関する報告書を刊行するための準備が行われており、遺物の整理や実測が着々と進行しています。
私はこの報告書の執筆陣の一員として、これまで行ってきた古代寺院や文字資料に関する研究を下敷きとしつつ、文献史料や地図を素材として糞置庄についての検討を進めているところであります。また現在の自宅は福井市内にあり、糞置庄の現地には簡単に足を運べる環境におりますので、現地踏査の成果も反映させたいと考えています。なお、長らく古代以来の景観を保ってきた糞置庄ですが、昨年北陸新幹線の金沢〜敦賀間着工が正式に認可され、糞置庄域の至近を通過することが計画されていますので、工事の進捗に伴う景観や周辺環境の破壊が危惧されるところです。そのような状況の中、糞置庄に関する調査成果が刊行されることは誠に意義深く、古代庄園遺跡の保存を訴える上でも重要な布石となりますので、この仕事に心を入れて打ち込みたいと考えています。会員の皆様からもよろしくご指導を賜りたく、お願い申し上げる次第です。

 

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【2012年度 奨励研究員の紹介】

◇ 山本 亮

昭和60年生高知市出身
京都市在住
京都大学大学院文学研究科
(考古学専攻)

私の生まれ育ったのは目立った遺跡がほとんどない地域で(遺跡地図ではいくつかあるようです)、また高知は右を向いても左をみても龍馬、龍馬で多くの皆さまのご尽力にもかかわらず原始や古代は影が薄く感じてしまうことが多いのですが、逆にそれらがあいまって憧れができ、考古学の道を選ぶきっかけとなったように思います。
これまでの研究テーマといたしましては、おもに弥生時代後期から古墳時代前期にかけての土器を分析対象として、土器を製作する集団相互の関係を通じて古墳出現期の社会の様相について追究してきました。特に注目しているのが「二重口縁壺」と呼ばれる土器で、これは生活の場のみならず、最初の大型前方後円墳といわれる箸墓古墳をはじめとする古墳でみつかることから、重層的に社会を分析することが可能な遺物として注目されます。
またこのたびは奨励研究員といたしまして、古代学協会の共同研究「近畿地方初期農耕集落の研究」に参加させていただくこととなりました。この研究では、当協会が調査した京都府長岡京市に所在します雲宮遺跡を足掛かりとしまして、広く近畿地方の初期農耕集落の実態に迫ることを目的といたしております。雲宮遺跡は京都盆地のなかでも古い弥生時代の遺跡として、とりわけ故佐原真先生の弥生時代前期の土器についてのご研究を中心にこれまで注目されてきました。加えて当協会の調査した資料には、土器に限らず豊富な石器や木器、さらに時期的にも古墳時代に至るまでの内容を含んでいることから、広い視野で研究を進めることができます。
共同研究はまだ始まったばかりであり、これから具体的な方向性が定まっていくところですが、一線で活躍する研究者の皆さまと研究を進めることができるという、まことに得難い機会をいただいております。
今後、奨励研究員として皆さまのご期待に添えますよう、精進を重ねていきたいと存じます。研究の成果を皆様のお目にかけられるよう努力してまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします

 

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