(財)古代学協会は、本年、創立60周年の記念の年を迎えました。
この記念すべき年に当たり、当協会の創立者・角田文衞博士の名を冠して、角田文衞古代学奨励賞を創設することにいたしました。
本賞は、季刊『古代文化』への前年度の投稿論文の中から秀作を選んで表彰し、古代史研究の奨励と将来性ある若手研究者を支援することを意図する論文賞です。本日はその第1回目の授賞式となります。
今回は、60周年の記念事業の一環として、また、当協会の再出発の機に臨む特例として、季刊誌に移行した第59巻(2007年)以降第62巻(2010年)までの4ヶ年分の投稿論文を対象とし、複数の受賞者の選考を念頭に準備してまいりました。
本年5月までに、『古代文化』編集委員・編集参与・編集協力委員等76名の委員から推薦を受けた23編の論攷を対象とし、編集委員・編集参与を構成員とする受賞論文推薦会議(6月17日)、(財)古代学協会研究諮問員による選考委員会(7月11日)、役員会(8月5日)の承認を経て、無事その選考を終えることができました。
その結果、東村純子「輪状式原始機の研究」(第60巻第1号、日本考古学分野)、土口史記「先秦期における「郡」の形成とその契機」(第61巻第4号、中国古代史分野)が、受賞論文・受賞者に決まりました。研究は開拓的な意欲作で、執筆者の将来性豊かな資質が明らかな秀作を選考することができましたことは、主催者として喜びに堪えません。
今後もひきつづき、関係各位のご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。

平成23年10月1日
(財)古代学協会理事長 大坪孝雄