公益財団法人古代学協会

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講師紹介と講座内容

講座名:和歌を読み解く(7)『後拾遺集』の女性歌人たち

講師名:中 周子(大阪樟蔭女子大学名誉教授)

※新規内容

◆講師自己紹介

大阪府立大学大学院博士後期課程修了。
言語文化学博士。大阪樟蔭女子大学名誉教授。田辺聖子文学館館長。
専門は平安時代の和歌文学で、主要な著書には『拾遺和歌集論攷』(和泉書院)、『和歌文学大系 紫式部集・藤三位集』(明治書院)があります。
また、近現代作家と古典文学との関わりにも興味を持ち、与謝野晶子や田辺聖子の『源氏物語』の現代語訳についても研究しています。
コロナ禍の時代となり、和歌によって心を通わせるという平安時代のコミュニケーションの有り方を見直しています。

◆講座の内容紹介・受講される皆様へ

和歌(短歌)は、日本独自の表現形式であり、日本語が文字を持たなかった古代から現代に至るまで驚くほど長い文学的生命を保ち続けています。
日本語は和歌とともに発達してきたといっても過言ではないでしょう。
本講座では、『古今集』以降の和歌史を辿り、さまざまな和歌を読み解きながら、日本独自の心情表現を学んでゆきます。
本年度は、第四番目の勅撰集『後拾遺集』の和歌を取り上げます。
『後拾遺集』は、女性歌人の和歌を重視して多く撰んでいます。
『古今集』から『拾遺集』までの最多入集歌人は、紀貫之でしたが、『後拾遺集』では和泉式部です。
他にも、相模、赤染衛門、伊勢大輔、紫式部、清少納言等々、一条朝に活躍した女性たちの和歌が、『後拾遺集』には多く収められています。
さらに、巻頭歌も女性歌人です。ところが、『後拾遺集』の評判は、成立当時から芳しくありませんでした。
歌壇の大御所によって『難後拾遺』という批判書が書かれたり、賄賂に「鯵」を贈ったので歌が載ったと噂されて「小鯵集」と呼ばれたりしたのです。
今年度の前期は、『後拾遺集』をめぐる諸問題を整理しながら、女性歌人の和歌を中心に解読することを通して、『後拾遺集』の再評価を試みたいと思います。
受講に際して特別な知識は必要ありません。
古典和歌に興味を持つ方のご参加をお待ちしています。
最終回は受講生の皆さんの希望を取り入れつつ、名歌鑑賞をする予定です。
希望者には、感想や考察を発表していただく機会も設けたいと思います。
その場合は、第3回目までに読みたい和歌をお教え下さい




◆講座スケジュール

月1回 土曜日 10:30~12:00 ※8月は休講月です。

第1回 4月23日(土)
  内容:『後拾遺集』の成立について

第2回 5月28日(土)
  内容:『難後拾遺』に見る批判

第3回 6月25日(土)
 内容:『後拾遺集』の歌人たち

第4回 7月23日(土)
 内容:『後拾遺集』の女性歌人の和歌

第5回 9月24日(土)
 内容:名歌鑑賞(希望者の発表)