公益財団法人古代学協会

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講師紹介と講座内容

講座名:和歌を読み解く(8)-『後拾遺集』の新風和歌-

講師名:中 周子(大阪樟蔭女子大学名誉教授)

※継続講座、新規受講できます。

◆講師自己紹介

中 周子(なか しゅうこ)
大阪府立大学大学院博士後期課程修了。言語文化学博士。大阪樟蔭女子大学名誉教授。田辺聖子文学館館長。専門は平安時代の和歌文学で、主要な著書には『拾遺和歌集論攷』(和泉書院)、『和歌文学大系 紫式部集・藤三位集』(明治書院)があります。また、近現代作家と古典文学との関わりにも興味を持ち、与謝野晶子や田辺聖子の『源氏物語』の現代語訳についても研究しています。
コロナ禍の時代となり、和歌によって心を通わせるという平安時代のコミュニケーションの有り方を見直しています。

◆講座の内容紹介・受講される皆様へ

和歌(短歌)は、日本独自の表現形式であり、日本語が文字を持たなかった古代から現代に至るまで驚くほど長く文学的生命を保ち続けています。日本語は和歌とともに発達してきたといっても過言ではないでしょう。本講座では、『古今集』以降の和歌史を辿り、さまざまな和歌を読み解きながら、日本独自の心情表現を学んでゆきます。
本年度は、第四番目の勅撰集『後拾遺集』の和歌を取り上げています。前期は『後拾遺集』の成立を概説し、最多入集を果たしている和泉式部をはじめ相模、赤染衛門等、女性歌人の和歌を取り上げました。後期は、『後拾遺集』が一条朝の才媛たちと彼女たちが仕えた皇后定子や中宮彰子の後宮を重視して編纂している点に注目します。さらに、曾根好忠や源順たち男性歌人たちの和歌に見る三代集から転換する新風についても触れたいと思います。通俊の編纂作業にも目を向けながら、『後拾遺集』の再評価を試みたいと思います。
受講に際して特別な知識は必要ありません。古典和歌に興味を持つ方のご参加をお待ちしています。最終回は受講生の皆さんの希望を取り入れつつ、名歌鑑賞をする予定です。希望される方には、感想や考察を発表していただく機会も設けたいと思っています。




◆講座スケジュール

月1回 土曜日 10:30~12:00 ※12月は休講月です。

第1回 10月22日(土)
内容: 『後拾遺集』の編纂と女性歌人

第2回 11月26日(土)
内容: 一条朝の後宮に注目した撰歌(1)
清少納言と紫式部

第3回 2023年1月28日(土)
内容: 一条朝の後宮に注目した撰歌(2)
皇后定子と中宮彰子

第4回 2月25日(土)
内容: 『後拾遺集』と和歌史の転換期

第5回 3月25日(土)
内容: 名歌鑑賞会、希望者の発表