公益財団法人古代学協会

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講師紹介と講座内容

講座名:墓制の歴史考古学 -墓制から見た古代と中世のはざま-

講師名:渡邊 邦雄(関西大学非常勤講師))

※新規講座

◆講師自己紹介

1960年神戸市生まれ。
小学生の頃に神戸層群から見つかる植物化石の収集にはまり、先史・古代に興味を持ち、縄文土器や銅鐸に惹かれて考古学の世界に引き込まれます。
高三の時の進路懇談で考古学をやるなら高校の教師を目指すのがよいといわれ、神戸大学教育学部に進学。
大学入学後、考古学研究会に入り、兵庫県下で遺跡発掘調査補助員に従事、芦屋市の発掘現場で弥生時代の研究者として著名な森岡秀人さんと出会い、考古学の手ほどきを受けました。
大学卒業後は高校教員の道を選び、大阪市立東高校を皮切りに、工業、商業、総合学科や英語科などの高校で地歴・公民科の教員を務めました。
昨年、定年退職し、現在再任用教員として工業高校に勤務しています。
勤務の傍ら、考古学の研究を続け、7~9世紀の墓制のあり方を検討し、歴史の教員という立場から考古学と古代学の融合、総合化を目指しています。
関西大学非常勤講師。博士(文学)。
著書『墓制にみる古代社会の変容』(同成社)。

◆講座の内容紹介・受講される皆様へ

人が誰しも経験する人生の終焉。
その果てに何があるのか…。
現代科学をもってしても死後の世界を明らかにすることはかないません。
古代より人々は魂の行く末を案じ、黄泉の国や極楽浄土などの様々な世界、他界観をつくってきました。
そして、その他界観の変化に伴い、お墓のあり方も変わっていきます。
例えば、奈良時代初めの古代人は火葬を行い、平安朝の人々は土葬に回帰します。
この講座では日本古代~中世の歴史を墓制という考古資料とそれに関係する関連分野の成果を用いて検討し、墓制から見た古代国家の意義を考えます。
さらに、考古学が歴史学において果たすべき役割について論じます。
そして、その検討結果をもとに古代の終焉、時代区分論についても論究したいと思います。
歴史教育の世界では鎌倉幕府の成立が1192年(いいクニつくろう)でなくなったように新しい歴史の見方がどんどん登場しています。
なぜ、このような新しい考え方が登場したのかという理由を説明し、定説とは異なった、新しい歴史の世界が垣間見えることもお伝えしたいと思います。




◆講座スケジュール

月1回 土曜日 15:00~16:30 ※8月は休講月です。

第1回 4月23日(土)
内容: お墓の歴史―特に終末期古墳を中心として

第2回 5月28日(土) 
内容: お墓の歴史-古代以降

第3回 6月25日(土)
内容: なぜ火葬なのか―火葬と土葬の墓制上の意義

第4回 7月23日(土) 
内容: 律令国家と王朝国家

第5回 9月24日(土) 
内容:墓制は時代を語るのかー墓制から見た古代と中世のはざま