公益財団法人古代学協会

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講師紹介と講座内容

講座名:記憶に残る古代大和の発掘調査

講師名:今尾 文昭(関西大学非常勤講師)

※新規講座

◆講師自己紹介

1955年兵庫県尼崎市生まれ、京都府八幡市で育つ。78年同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業後、奈良県立橿原考古学研究所へ入所、その後、同研究所附属博物館学芸課長、同研究所調査課長などを経て、2016年定年退職。現在、関西大学文学部非常勤講師。
NPO法人 東海学センター理事長。古代学研究会陵墓委員。博士(文学)。
専門は日本考古学。著書に『律令期陵墓の成立と都城』(単著・青木書店)、『古墳文化の成立と社会』(単著・青木書店)、『ヤマト政権の一大勢力 佐紀古墳群』(単著・新泉社)、『天皇陵古墳を歩く』(単著・朝日選書)、『世界遺産と天皇陵古墳を問う』(編著・思文閣出版)、『古墳空中探訪』[奈良編]・[列島編](共著・新泉社)、『森浩一古代学をつなぐ』(編著・新泉社)、『飛鳥への招待』(編著・中央公論新社)など。
橿原考古学研究所の初代所長末永雅雄先生は「常歩無限」を説き、恩師森浩一先生は自身の言葉「生涯不羈」を残されました。
実行するに、ほど遠い毎日ですが、考古学に人生を捧げられた先学の教えを大切に、研鑽に励みたいと思います。

◆講座の内容紹介・受講される皆様へ

1972年3月、奈良県高市郡明日香村の高松塚古墳における本格的な極彩色の壁画の発見は、人々に驚きを持って受け止められました。
“考古学”が市民権を得る契機となった発掘調査として知られています。
そして、何より古代史を広く東アジアの国々や地域との比較検討のなかで解くことの重要性を教えてくれました。
来年は、その発見から50年を迎えます。この間、日本考古学は豊かな造形が過去の歴史にあったことを社会に提供して来ました。
1979年には、平城京から離れた田原盆地での太安萬侶墓の不時発見、開発との引き替えとなった発掘調査の積み重ねでしたが、80~90年代には藤原京の京域論の見直しがありました。
また原則、非公開の天皇陵古墳ですが、2008年にはその第1回として佐紀古墳群を構成する大型前方後円墳、五社神古墳への立ち入り観察が許可されました。
最近では一辺80メートルを超える飛鳥地域で最大の方墳、小山田古墳の新規確認など、私自身が身近に接した遺跡もこのなかにあります。
 高松塚古墳壁画発見から50年のこの機会に「記憶に残る古代大和の発掘調査」を振り返り、その学術成果と課題についてスライドをまじえながら解説します。

※専門的な考古学知識がなくとも受講可能です。




◆講座スケジュール

月1回 水曜日 15:00~16:30

第1回 10月6日(水)
内容:高松塚古墳の壁画、現わる

第2回 11月3日(水・祝)
内容:太安萬侶墓の発見とその後

第3回 12月8日(水) ※講座日注意
内容:大きくなった「藤原京」

第4回 2月2日(水)
内容:はじめての立ち入り観察、五社神古墳(現、神功皇后陵)

第5回 3月2日(水)
内容:飛鳥最大の方墳、小山田古墳の意味