講師紹介と講座内容

講座名:『源氏物語』を読み解く(三)
講師名:中 周子(なか しゅうこ)(大阪樟蔭女子大学名誉教授)
※継続講座
◆講師自己紹介 大阪府立大学大学院博士後期課程修了。言語文化学博士。大阪樟蔭女子大学名誉教授。田辺聖子文学館館長。専門は平安時代の和歌文学、とくに一条朝の和歌で、主要な著書には『拾遺和歌集論攷』(和泉書院)、『和歌文学大系 紫式部集・藤三位集』(明治書院)があります。また、『源氏物語』が驚異的な文学的生命を持ち存続しているのは、近現代作家による現代語訳や翻案が大きく寄与していると考え、与謝野晶子の『新新訳源氏物語』自筆草稿や田辺聖子の『新源氏物語』・『私本源氏物語』等についても研究しています。
◆講座の内容紹介・受講される皆様へ 時代背景、王朝の風俗、複雑なストーリー展開、多彩な登場人物……、『源氏物語』ほど、さまざまな角度から読み解く面白さが詰まった物語はありません。この講座では、『源氏物語』を、和歌によって発展してきた日本独自の表現、自然感情や美意識を基盤にして成立した物語であるという観点から、読み解いてゆく予定です。
今期は、後世の『源氏物語』研究と鑑賞に大きな影響を与えた本居宣長の「もののあはれ論」を踏まえた上で、桐壺と帚木の巻を取り上げて読み解きます。『源氏物語』はどのように書き始められたのか、どのようにして長編の物語となっていったのかについて考察します。第5回目には、古代学協会所蔵の大島本撮影画像により、変体仮名の解読も行う予定です。
受講に際して特別な知識は必要ありませんが、紫式部と『源氏物語』に興味を持つ方のご参加をお待ちしています。
◆講座スケジュール
5回講座 土曜日 10:30~12:00 ※8月は休講月です。
第1回 4月26日(土)
内容: 本居宣長の「もののあはれ論」
第2回 5月24日(土)
内容:物語はどの巻から書き始められたか
第3回 6月28日(土)
内容: 桐壺の巻を読むー光源氏の登場までー
第4回 7月26日(土)
内容: 帚木の巻を読むー光源氏の恋愛遍歴の始まりー
第5回 9月27日(土)
内容:短編から長編へー書き継がれる『源氏物語』
(付)大島本で読む桐壺の巻