公益財団法人古代学協会

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1952年(昭和27)1月を期して機関誌「古代學」(Palaeologia)を創刊した。
古代学協会は、ロンドン大学、ミュンヘン大学、ウッジ大学(ポーランド)、ノートルダム大学(米国)などに呼びかけて幹事ないし通信員を置き、早くから国際的な古代史研究を開始し、推進したのであった。

1957(昭和32年)の財団法人認可以来、古代学協会は多方面に亘って精力的に活躍を開始した。
「古代學」(季刊)の刊行は勿論であるが、1957年(昭和32)8月からは小論文や報告を掲載する月刊誌「古代文化」が創刊された。
また古代史の重要な問題を採り上げた論集の編集や出版物が続々と手掛けられた。

1)平安文化/平安京研究関係

当協会は、国内、特に京都市域においては発掘調査を絶えず実施し、一方で、多くの文献学的研究の成果と相まって、平安時代の歴史と文化の究明に尽瘁すること多大であった。
多数の出版物が公にされ、古代史の研究に大いに寄与したのである。

「平安時代史辞典」と「平安京提要」

平安時代史の研究を総括するため、1969年度来協会が推進してきた『平安時代史事典』の編集は予想以上の大事業となり、平安建都1200年目に当たる1994年(平成6)、24年目にしてようやくB5判、全3巻、3100頁の巨冊として角川書店から刊行された、2006年にはCD化された。
また平成元年度から編纂が開始されていた『平安京提要』(B5判、1200頁)も続いて刊行されたため、同年5月28日、両書の刊行を祝い、平安建都1200年記念協会、角川書店の協賛を得て出版祝賀会を開催した。

この二大記念出版は、後世に遺る大事業として学界に大きく貢献するところがあった。
なお、本事業は、京都府、京都市、京都商工会議所をあげて大々的に実施された平安建都1200年記念祝賀の諸事業中、特に顕著な功績があったと認められ、1995年6月19日の京都府開庁127年記念式典の席上、知事より、さらには10月15日の京都市自治記念日には市長より表彰状が授与された。

「大島本・源氏物語」(国指定・重要文化財)の影印本

さらにまた、協会が所蔵する青表紙本系統の大島本『源氏物語』(53冊)は原本に最も近い写本として国の重要文化財に指定されているが、協会は国文学の研究に寄与するためこの影印本の刊行を企図し、菊判全10巻、別冊(研究篇)1巻の大冊として角川書店より刊行され(1996年5月、97年4月)、2007年にはDVD化された。

当協会が1984年(昭和59)に企画し刊行してきた全国の国分寺、国分尼寺を対象とする包括的研究の成果『新修国分寺の研究』は、若干の国分寺跡の発掘調査か継続中であったためにその後の刊行が捗らなかった。
しかし1997年11月に至ってようやく第7巻全8冊(B5判、吉川弘文館)に及んだ大冊を完成することができた。
これは、日本古代の行政史および仏教史の大問題である国分寺の研究に大きく寄与し、無二の貴重な労作となっており、すでに学界では定評をいただいている。

「古代王権の誕生」(全4巻)

1998 年(平成10)には、古代学協会創立50周年記念事業として、角田文衞博士を委員長、上田正昭博士を副委員長とする初期王権研究委員会が設立された。
これは、新旧両大陸における初期国家の王権を総合的に研究するために日本の古代史研究家60数名を動員した。

古いところでは紀元前数千年に遡る王国の成立やその性格を解明することを目的とし、現下の古代学界では日本はもちろん欧米にも例を見ない画期的な企画であった。
九つの部会に分かれて、総合的あるいは地域別に初期王権の研究が進められたが、その成果は総括され、B5判全4冊からなる『古代王権の誕生』(角川書店)と題する研究書となって、2003年1月から刊行が開始され、10月に至って完結した。

2)始原文化研究関係

1962年(昭和37)から6ヶ年日本文化の源流の究明ために多くの専門学者を結集して実施された大分県の丹生遺跡群の発掘調査は、1968年(昭和43)に調査総括編を刊行していたが、その後の研究の急速な進展を踏まえて、1992年(平成4)に『大分県丹生遺跡群の研究』(『古代學研究所研究報告』第3輯)として、最終報告書を刊行した。

その他の日本始原文化の遺跡の調査成果は、1975年『京都府舞鶴市桑飼下遺跡発掘調査報告書』、1980年『寺谷遺跡』、1982年『野沢遺跡』、1985年『広野北遺跡』、1991年『茨城県福田(神明前)貝塚』(『古代學研究所研究報告』第2輯)、1997年『青森県石亀遺跡における亀ヶ岡文化の研究』(『古代學研究所研究報告』第5輯)など、いずれも大部の調査報告、研究書として出版された。

3)海外古典文化研究関係

1981年(昭和56)から1992年(平成4)まで12年間に亘ってissue実施したエジプト・アコリス遺跡の発掘調査の総括として、1994年度(平成6)には、調査報告書AKORIS (英文,本文484頁、図版157)が刊行された。

調査報告書AKORIS (英文、本文484頁、図版157)

4)定期刊行物

「古代学」(季刊)、「古代文化」(第58巻まで月刊。以後季刊)並びに「土車」(会報・1977創刊)を順調に発行する一方、1970年には「平安博物館研究紀要」、1989年度(平成元年)より新しく「古代學研究所研究報告」を、1990年度からは「古代學研究所研究紀要」を刊行、またポンペイ遺跡研究の成果として、研究論集Opuscula Pompeiana(年刊)を1991年度より刊行を開始し、それらを通じて学界における地位を確固たるものとした。

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