公益財団法人古代学協会

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講師紹介と講座内容

講座名:『小右記』講読ー平安貴族の日常に触れてみようー

講師名:野口 孝子(のぐち たかこ)(古代学協会客員研究員)

※継続講座 

◆講師自己紹介

早稲田大学卒。鹿児島大学大学院修了。元同志社女子大学嘱託講師。公益財団法人 古代学協会客員研究員。
平安時代の邸宅の伝領などを研究テーマにしていましたが、近年平安貴族社会の人々の行動時間に関心を持つようになりました。とくに平安中期から夜化が固定し、『小右記』が書かれた10~11世紀は、年中行事やライフサイクルにおける儀礼の多くが夜に行われています。すでに「『夜』化の時代」(拙著『平安貴族の空間と時間』所収、清文堂出版、2024年)を発表しましたが、より深い内容を知るためには、貴族の日記を丁寧に読むこと以外にはないと日々実感しているところです。
また2025年10月に、40回に渡る連載「沈思する月-后の私設秘書紫式部-」(京都民報)が終了し、今年は、『小右記』を元にした新たな作品に挑戦している所です。

◆講座の内容紹介・受講される皆様へ

『小右記』は、道長より9歳年上の知識人貴族、のち右大臣となる藤原実資によって、和製漢文体で書かれた50年余にわたる日記で、平安時代の政治・経済・社会・文化・貴族の日常などを知るために欠かす事のできない一級の史料です。
これまで、花山天皇の即位や刀伊の入寇、安倍晴明、紫式部などに焦点をあて、それに必要な部分を中心に読んできましたが、先年、治安 3年(1023)閏9 月条や寛和2年(986) 3 月条を通しで読むことに挑戦しました。全体を通して読むと、年中行事や政務の継続性など社会的なものや著者の生き方なども垣間見られ、大変面白いものでした。
そこで前期より、藤原道長の亡くなる少し前、万寿4年(1027)4月条を読み始めました。
この月は、1日から29 日まで、1日も欠けることなく記事が残されています。道長や彰子などよく知られた平安貴族も中高年になって政治的位置も変わりました。彰子は出家し女院(上東院)となり、道長はこの年12月に糖尿病で苦しみながら亡くなります。実資は70歳代になりましたが、病に蝕まれながらも精力的に働いています。因みにこの時、実資は正二位右大臣、上東門院御所に通い、頼りない関白の頼通を補佐しながら、変わりゆく政界を指導しています。
また完成間近の法成寺の様子や仏事、道長の病、地方行政の問題点、犯罪の処理など興味深い内容が含まれています。
講座は、本文内容や、解釈に必要な知識などを講義形式で行いますが、本文の一部は、受講生の方々による発表(希望者のみ)、ついで質疑という形も取り入れていきます。
資料の読みというのは、聞いていて解るというものではなく、自ら学び取る姿勢の中で理解が生まれていきます。難しい内容が腑に落ちたうれしさは何事にもかえがたいものです。和製漢文は、基本を知り、読み慣れると中国漢文より平易です。また文字や言葉(歴史用語)からその時代のエッセンスに触れ、臨場感を味わっていただきたいと思います。
平安時代や『小右記』に関心があり、漢文に触れてみようという気持ちのある方なら、どなたでも参加できます。大学生から後期高齢者まで幅広い層の方々が参加されています。
『小右記』本文は、当方で準備します。漢和辞典・古語辞典・歴史事典などがあると便利です。




◆講座スケジュール

5回講座 水曜日 10:30~12:00 ※8月は休講月です。

第1回 4月8日 (水)
 内容:万寿4年(1027)4月7日条から始めます。 

第2回 5月13日 (水)
 内容:承前 

第3回 6月10日 (水) 
 内容:承前 

第4回 7月8日 (水) 
 内容:承前

第5回 9月9日 (水) 
 内容:承前